俺、何でこんなことしてんだろ。 真 夏 の 大 乱 闘 どーも。俺近藤太一でっす。 只今水泳部でも整備委員でもボランティアでもないのにデッキブラシを片手にプールの掃除中。 頭の真上から照りつける熱い太陽光線と、蝉の耳障りなコーラス。 暑いの五月蝿いのって最悪な場所。 こんな環境にもう2時間ちょい1人でいるわけで。 テストで赤点取って、夏休みの補習受けて、その補習の最終日にあった追試でまた赤点取って。 その罰として当てられたプール掃除。 体育館とかだったらまだ日が当たらないからよかったのになぁ。 「誰か助けてー」 プールの中心で・・・・・・あ、もうこのネタさすがに古いな。 「去年は2人だったからなぁー」 そう、去年は1人ではなく2人だった。 確か解答欄が全部1個ずつずれてて赤点になった奴と。 掃除もそいつと話しながらやったから、そんなに苦でもなかった。 まぁそのテストが運良く記号問題だったから、0点ではなかったらしいけど。 ホントは頭良い奴なのに、やることバカだよなぁ。 「近藤ーサボるなよー!」 フェンスの向こうから、たまたま通りかかった担任の声が飛んできた。 「あいよー」 「あ、そういや小牧先生からの伝言」 「え、何々?!」 小牧先生っていうのは、この掃除の監督をしている先生。 きっと今は涼しい職員室で休んでる。ズルイよな! もしかしてもう終わりにしていいとか? なーんて甘い考えは、一瞬で消えた。 「今年は差し入れなしだそうだ」 「えぇぇ・・・」 去年はアイス持ってきてくれたのにー! 「まぁ頑張れよー」 ・・・もうやだ!! 先生が見えなくなってからデッキブラシを放り出して、プールサイドに寝転がる。 もうやってられるか! 「・・・って熱ッ!!」 地面のあまりの暑さに飛び起きる。 水を撒いてたから大丈夫だと思ったのに。 足は熱く感じてなかったから平気だと思ったのに。 俺バカみたい。いや、バカなのか? 「チクショー!!」 太陽なんて嫌いだー! でもテストで唯一点が取れたのが"太陽"って書いたとこだから、あんまり邪険には出来ない。 「神様ー俺の頭を良くしてー!」 勉強以外のことだったら何だってするからー!! *  *  *  *  *  *  *  *  *  * 06/11/16 加筆修正